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蕾は開き咲きほこる
第19章 おしおき

「本当にお疲れ様だと思っていますか?」

大変だったので労いの言葉をかけると、光春さんは少しムッとした表情をして肩から顔を上げて睨みつけてくる。

「おっ、思ってますよ」

「そうですか?その割には頬が緩んでますけど?」

慌てて答えると、光春さんは私の頬をむぎゅっと摘まんで詰め寄ってきた。

「緩んで、ませんよ」

「いいえ、緩みっぱなしですよ。お昼休みの時も仕事が終わった後もそうでした。私が詰め寄られているのに助けもせずに笑ってましたよね」

むぎゅっと摘ままれている頬は痛いけど、そのスキンシップも甘えられているようで嬉しい。

「ほらまた……私が怒っているにも関わらず、こんな事をされても汐里の頬は緩みっぱなしですね」

「きっ、気のせいですよ」

「いいえ、気のせいじゃありませんよ。いつも汐里を見ているんですから分からなはずがありせん」

詰め寄られているはずなのに、光春さんの言葉が嬉しくて仕方がない。
だから嬉しくて、言われたばかりなのに頬が緩んでしまう。


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