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蕾は開き咲きほこる
第20章 旅行

「ここで会ったのが光春さんでよかった。他の人だったら挨拶だけして帰ったと思います。
それどころか、声をかけずに戻ったかもしれない。
そう思うと、本当に私と光春さんの出会いは奇跡だと思う。
「今だから思います。汐里だから一緒に居たいと思ったと。汐里と同じで他の女子社員だったら挨拶だけして送り届けてそれで終わっていたと思います」
話せば話すほど同じことを考えていた私たち。
お互いに人と関わらうことが苦手だからこそ何かがカチッと合わさったのかもしれない。
「似た者同士って事ですね」
「そうかもしれませんね。だからこそ惹かれあった……その相手が汐里でよかった」
そう言った光春さんは私の頬に手を添えて唇を寄せてキスをする。
ひんやりとした空気で包まれた身体は、その唇のぬくもりだけで身体全体を温めてくれる。
寒いはずなのに、絡めとる舌と交わる唾液で身体の芯は熱くなりもっと欲しくなる。

