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蕾は開き咲きほこる
第20章 旅行
「この中で一番お酒が強いのは優子さんなのよ。酔ったところ見たことないほどにね」
「あらっ?桜子ちゃんだって強いじゃない?汐里ちゃんはイケル口かしら?」
その場の雰囲気を一気に変えた優子さんは2杯目を飲みながら聞いてくる。
「いえっ、私はあまり飲めなくて……」
「そうなの?でも泊まりだから平気よね」
桜子さんの持っているお猪口を取って進められた。
勧められたのに飲まないのは失礼かと思いいただくと、空になったお猪口に次から次へと注いでくる。
「ちょっ、ちょっと優子さん、そんなに無理させないでください」
4杯飲んだところで光春さんに止められた。
「え~せっかく光春くんが彼女を連れてきたから飲みたいじゃない?」
「だからと言って無理強いはしないでください」
光春さんから止められているのに優子さんは私が持っているお猪口に日本酒を注いでくる。
それを見た光春さんは軽くため息をつくと、私の手からお猪口を取って口に運んだ。