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蕾は開き咲きほこる
第3章 課長の素顔

「帰らなきゃダメですか?一緒に、もう少し星をみていたら迷惑、でしょうか?」

一瞬驚いた顔をした課長は少し考え込み、帰りなさいと言われるのを覚悟した。
だけど課長から放たれた言葉は違った。

「一緒の部屋の人たちは大丈夫ですか?坂上さんが帰ってこなければ心配すると思いますが?」

「それは、大丈夫だと思います。部屋を出るときにお酒を飲んでいたので、もう寝てると思いますし……スマホに連絡もありませんので」

個人的なつきあいがなくても連絡用にと同僚の連絡先は誰もが知っているから、心配してくれてるのなら電話があってもおかしくはない。
それがないということは心配していないか、或いは酔いつぶれて寝ているかのどちらかだろう。

「そうですね。何かあればスマホがありますから大丈夫でしょう。それではコーヒーでも入れましょう――ああ、ダウンは着てください。風邪を引かれたら困りますから」

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