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蕾は開き咲きほこる
第21章 百合は咲き開く

「桜子ちゃんだけではないわね。光春くんも良い表情をするようになったし、あんな風に彼女を気遣う姿を見られるなんて思ってもいなかったから安心したわ。やっと心から安らげる相手をみつけたって事よね。歴代の彼女をしってるだけに大事にしてるのが伝わってくるわ」

「そうなんですよ。あの光春くんが汐里ちゃんには甘いんですよ。そこに至るまでが大変でしたからね。だってね――……」

そう言って、私と光春さんとの出会いから付き合うまでの事を桜子さんの目線から優子さんに話し始めた。
初めて桜子さんのお店に顔を出した時から怪しいと思っていたと言われた時には驚いたけど、それから暖かく見守っていたと言われた時は目頭が熱くなった。
それから、桜子さんが事故にあったと聞いた時は心底驚いた表情をしていていたけど、大事に至らなかった事、そこから自分がふたりの仲を取り持つためにどんなに頑張ったか力説する頃には事故の話は忘れたようで話に聞き入っていた。

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