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蕾は開き咲きほこる
第21章 百合は咲き開く

「そうね。まだキスはしてないわね。だけど、そんな雰囲気を醸し出してるってこと。今日だって宴会の途中で何回アイコンタクトしてたのかしら?」

どうなの?と私の隣に移動してきた桜子さんは私の腕をつついてくる。
どうなのと聞かれても、そんな事をした覚えはない。

「アイコンタクトだなんて……」

「ごまかされないわよ。何度も見つめあって微笑んでいたじゃない?」

「それなら分かるわ。光春くんが汐里ちゃんの事を見つめて、それに気が付いた汐里ちゃんが光春くんを見て微笑む姿、何度も見たわね。微笑ましいなって思ってみてたわよ」

「でしょう?それをお店でもやってるんですよ」

優子さんの言葉で、思い当たる節があった。
なんとなく視線を感じて振り返ると、いつも光春さんと視線が交わる。
それが嬉しくて私が微笑むと、他の人にばれないようにテーブルの下で手を繋いでくれる。
今日だって、視線を感じて視線の元を辿れば光春さんが優しい瞳を私に向けていてくれた……
その視線に身体を熱くさせたのは間違いない。

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