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蕾は開き咲きほこる
第21章 百合は咲き開く
「んっ……おは、よう……」
光春さんの腕の中でモゾモゾと動いていたので起こしてしまったのか、掠れた声を上げた。
光春さんの腕の中から顔を出せば、目じりを下げながらおはようのキスを落とされた。
「昨日は申し訳ない。早々に酔っぱらってしまって」
「いえ……大丈夫ですよ。光春さんが楽しそうに飲んでいて私もうれしかったです」
「そう言ってもらえるのはありがたいですが……もう少し汐里との時間を過ごしたかったです」
光春さんは私を置いて先に眠ってしまったのが残念だったようで、落ち込んだ姿が可愛く見えた。
「だったらまた行きましょう?今度はふたりで」
みんな行く旅行も楽しいけど、やっぱり光春さんとふたりで過ごす時間が私も大切で、もう一度行けたなと思った。
「そうですね。今度はふたりで旅行に行きましょう!今度こそ、一緒に露天風呂に入りましょう」
結局は一度も一緒に入れなかった露天風呂。
私が恥ずかしくて断ってしまったけど、本当は、一緒に入りたいと思っている。