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蕾は開き咲きほこる
第3章 課長の素顔
「課長の気持ち分かります。こんな良い匂いのするコーヒーを自然の中で飲めるなんて、とても贅沢だと思います」
「そう思ってくれるのであれば作った甲斐があったというもの、今日はいつもより多く持ってきておいてよかった……どうぞ、熱いので気を付けてください」
課長からコーヒーを受け取り一口飲むとホッとする。
私もコーヒーは嫌いな方じゃないけどインスタントばかりだから豆を挽いて作るコーヒーがこれほどおいしいとは思わなかった。
家でもこんなに美味しいコーヒーが飲めたらなと、暖かなコップを両手で包みながら課長と同じモノが欲しくなる。
「同じモノ、欲しくなりますね」
そう思うほど気に入った。
「でしたら、今度お店を紹介しますよ。色々と道具も揃ってますし豊富なコーヒー豆も取り扱っていますので。それに、オーナーが女性ですから坂上さんでも気兼ねなく通えると思います」
私の性格を理解したうえで言ってくれているのが分かりうれしくなった。