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蕾は開き咲きほこる
第21章 百合は咲き開く
「起きていますよ。すぐに行きますので」
ドアの外の桜子さんに声をかけた後、慌ただしく準備をして部屋を移動した。
「おはよう。よく眠れたみたいね」
優子さんは何事もなかったかのように笑顔を見せてくれた。
「ここのベッド、ふかふかで気持ちよかったわよね」
桜子さんも楽しそうに笑いかけてくれる。
だけど私は、ふたりの顔を見た瞬間、昨晩のことを思い出してまともにふたりの顔を見れなかった。
それは朝食が始まってからも同じで、みんなが楽しそうに話をしながら朝食を食べている中、私だけが黙って箸を進めることになっり、いつの間にか昨日の夜の話になった。
「昨日は酔いつぶれてしまって申し訳ない」
「いいのよ。男性陣が撃沈してくれたおかげで女性3人、露天風呂を満喫できたんですもの」
優子さんの言葉に咽て、食べているものを吐き出しそうになった。
「そうですよね。3人が先にダウンしてくれたおかげで満喫できましたからね。女子会的で楽しかったぁ」
優子さんと桜子さんは顔を見合わせ、アイコンタクトを交わしているようだった。