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蕾は開き咲きほこる
第21章 百合は咲き開く

「それで汐里も楽しくて飲みすぎたと言うことですか」

ふたりの会話で、あれが夢ではなかったのだと青ざめていると、光春さんが私に確認するように聞いてきた。
確認されてもどう返事をしていいのか分からないし、光春さんがどこまで知っているのか分からず返事ができない。

「もう、本当にそれは申し訳ないと思ってるのよ」

どうしていいのか分からず困惑している私に代わって優子さんが申し訳なさそうに答えていた。

「汐里ちゃんがとてもいい子で、それに光春くんや桜子ちゃんの幸せそうな姿を見たら私も嬉しくなっちゃってね。ついつい盛り上がって飲ませすぎちゃったの。だから叱らないであげてね」

「別に叱るつもりはありませんよ。ただ露天風呂に浸かりながら飲んで寝てしまったと聞かされて驚きはしましたけどね。それに、汐里がそれだけ気を許したということでもあるんで私も嬉しいんですよ」

そう言って、ふたりから優しい視線を向けられた。
向けられたけど、話が見えず何も言えなかった。

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