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蕾は開き咲きほこる
第22章 嫉妬

「このまま直ぐ行かれますか?」

もう少し一緒に居たくて聞けば、光春さんは腕時計で時間をチェックする。

「そうですね……あまり長くは居られませんがコーヒーを飲むぐらいの時間はありますよ」

そう言ってコーヒーとチーズケーキを頼み、珍しいなと思っていると、運ばれたきたケーキは私の前に置かれた。

「ここまで来てくれたお礼です」

ケーキは私のために頼んでくれたようで、目の前に置かれたチーズケーキを遠慮なくいただいた。
しっとりとしていて、さらに濃厚で美味しい。
美味しい物を食べていると自然と笑顔になり、美味しそうに食べている私の姿を見るのが好きだと、私の姿を見ながら優雅にコーヒーを飲む光春さん。
その姿もカッコいいと見惚れてしまう。
そこに会話はなく、言葉を交わさなくても静かで穏やかな時間。
色々と話をするのは大好きだけど、こんな風に静かに時を過ごすのも大好きだった。

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