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蕾は開き咲きほこる
第3章 課長の素顔
「彼女は私の部下で優子さんが思うような相手ではありません。それに、こんな私が相手では若い彼女に失礼ですよ。ですから露天風呂は彼女だけ使わせていただきます」
「そうなの?せっかく光春(みつはる)くんに良い人が出来たと思ったんですけどカンがはずれちゃたかしら。とりあえず寒かったでしょうから温まってきてくださいな」
「ありがとうございます。武史(たけふみ)にも後で顔を出すと伝えてください」
課長は軽く頭をさげ、私の背中に手をまわして一緒に歩き始めた。
ロビーを通り過ぎ中庭に出て歩いて行く先は、入りたいと思っても入れなかった露天風呂がある場所。
「課長、この先って露天風呂ですか?」
「そうです。いつも写真を撮った後に使わせてもらっているんです。今の時間は使用禁止で誰も入ってきませんからゆっくり入ってくるといいですよ」
そう言って背中をポンポンと軽く叩いて送りだしてくれた課長は内風呂のある方に歩いて行き、私は課長の言葉に甘えて露天風呂に足を向けた。