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蕾は開き咲きほこる
第4章 変わる日常
「坂上さんにはまだ無理か。――おい、水木!!」
大きな声で水木さんに声をかけこっちに来いと手招きをすると、水木さんは仲間との会話を中断して来てくれた。
「何?」
「坂上さんが言いたいことがあるってよ」
いきなりの事に何も言えないでいる私に、ほらほらっとお礼を言うことを急かしてくる。
「あ、あの、お土産、ありがとう、ございます」
急かされながらもお礼を言うと、水木さんは一瞬キョトンとした顔をした後大きな声をあげて笑った。
「何かと思えばそんなことかよ。みんなに買ってきたんだから気にするなよ、ってそれだけ?」
「それだけって、坂上さんにしては上出来だろう?」
「そりゃそうだな」
羽間さんの言葉にもう一度大笑いした水木さんは、同僚たちの輪の中に戻っていった。
「その調子その調子」
そう言った羽間さんは、私の背中をポンポンと叩いて水木さん達の輪に戻って行った。