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蕾は開き咲きほこる
第4章 変わる日常

「よっしゃ!あとは課長だけですよ。たまにはつきあってくださいよ」

私の返事を聞けば、次は課長へと詰め寄っていく。
課長も私同様に個人的な飲み会には参加はしないから普段は声をかけられることはない。
声をかけられても殆どは楽しんできなさいと言うだけ。
だから今回もほぼ参加しないだろうと誰もが思っていた。

「そうですね。……成功を祈っての飲み会であれば行くしかありませんね」

「えっ?マジ?」

「うそ~~」

課長の言葉を聞くと、フロアーから信じられないと声があがった。

「その代わり、来週からはきちんと仕事をしてもらいますよ」

いつものようにメガネの淵を人差し指で押し上げながら眉間の皺を解くことはなかった。
それから定時まで仕事をして会社近くの居酒屋で飲み会が始まった。
乾杯と共に一気に盛り上がりを見せる同僚と、静かに飲み続ける課長と松野下さん。
そんなみんなを横目にお酒を飲みながら時を過ごすことしかできない私。
それでも、みんなが楽しそうに飲んでいる傍にいるだけでも進歩だと思う。

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