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蕾は開き咲きほこる
第4章 変わる日常

「うそうそ、今の嘘だから気にするなって。それより触れられたりするのがダメなんだよな」
「……はい。急に触られたりすると怖くて……」
「そうなんだ。……じゃあ、手だして」
そう言って羽間さんは自分の手を差し出した。
羽間さんの真意が分からず困っていると、早く早くと急かされる。
これは羽間さんの手の上に私の手を乗せろと言う意味だと理解した私が躊躇していても、早く早くと急かしてくる。
手を差し伸べなければあきらめてくれないのが伝わってきたから恐る恐る手を出して羽間さんの手に触れた。
その瞬間、ギュっと握りしめられ驚いたけど、いつもみたいに引っ込めるほど嫌ではなかった。
だけど、こんな風に男性から手を握られたことがほとんどない私は顔を真っ赤にして俯くしかない。
「やっぱり……坂上さんって急に触られなければある程度は大丈夫なんじゃない?今もさ、俺が手を出してって言ったのもあるけど自分から俺の手触ったじゃん。今も握ってるけど平気でしょ?」
「でっ、でも、恥ずかしい、です」

