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蕾は開き咲きほこる
第1章 愛しい人
「相変わらずキミは恥ずかしいらしい」
私が慣れていないことを知っている光春さんはクスクスと意地悪に笑う。
「だって……」
いじけて光春さんの胸に顔をグリグリするとさらに強く抱きしめられ、私の方からも光春さんの背中に腕を回して抱きついて甘えた。
結婚して10年。
結婚して何年か経てばセックスレスになるとテレビでも雑誌でも言ってるけど、私と光春さんの間にはそんな事が本当にあるのかと疑ってしまうほど頻繁に愛し合っていた。
光春さんは出会ったころと変わらず私の事を愛してくれるし、私も光春さんの事を出会った頃と同じように愛している。
いや……
あんな事があったからこそ、出会った頃以上に愛しているし、光春さんとの絆はどんな夫婦より強固になったと思っている。
だから光春さんが愛おしくてたまらない……
「……好きです」
ふと、そんな言葉が自然と口から零れ落ちてくる程までに、私は光春さんの事が大好きだった。