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蕾は開き咲きほこる
第1章 愛しい人

「あんなに焦らされて意地悪されるのに、そんな私の事を好きだと言ってくれるんですね」

私の言葉を受け止めた光春さんの言葉に顔を上げると、目じりを下げて淋しそうに微笑んでいた。
あんなことがあり、光春さんは色々と悩み葛藤があったはず。
それでもすべてを受け止め共に生きていくと決めたのは私。
光春さんの全てを受け入れると決めたのは紛れもなく私で、そんな光春さんを愛するのは当然だった。

「あなたと共に生きていくと決めましたから……焦らされても恥かしい目に遭わされてもあなたの事……光春さんの事が大好きなんです」

光春さんが私の言葉でほっとしてくれるのなら何度だって伝えたい。

「どんな光春さんでも、私は愛していますよ、これからもずっと」

言葉以上に私の心が光春さんに届くように彼の頬に手を伸ばし、自分の方から触れるだけのキスをした。
興奮もしていないこの状況で私の方からキスをするとは思っていなかった光春さんは驚いて目を瞠る。
それでも私の気持ちは確実に伝わる。

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