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第4章 変わる日常

次の日のお昼、課長の行きつけの店のある駅で待ち合わせをすることになった。
課長を待たせるわけには行かないと30分前に待ち合わせ場所に行くと、課長は先に来ていて私を待っていた。

「すいません。お待たせして」

「大丈夫ですよ。私が時間より早く来てしまったんですから。では行きましょうか」

「はい」

直ぐに歩き出した課長の後を慌てて追うと、一瞬振り返り歩調を合わせてくれたから隣を歩く事ができた。
だけど、お互いに話すことはなく10分もあるけば小さなお店の前で課長は止まり、店の扉を開く。
ちりんちりんという涼やかな音が響けば優しい声が店内に響いた。

「いらっしゃい。今日もいつもの？」

「ええ、いつものをお願いします」

いつもという言葉に特別なものを感じながら課長と一緒にお店に入ると、店主らしい女性は軽く私に頭を下げた。

「それと彼女にいろいろと教えてあげてください」

課長は私の事を紹介し、今日ここに来ることになった経緯と私が人と話すことが苦手だということを話してくれた。