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第4章 変わる日常

当日は予報通りの春らしい陽気で、ここ数日の天気のおかげで桜は満開だとニュースで取り上げられていたほどお花見日和。
昨日のうちに課長から車で迎えに行くと連絡が入り、課長が毎年写真を撮っている公園に行くことになっていた。
男性とふたりっきりで車内で過ごすことが初めてで、公園に到着するまで一言も話せなかった。
課長も喋るほうでもないから仕方がないといえば仕方がない。
それでも公園に到着すれば、満開の桜に心が躍る。

「1時間程歩きますが大丈夫ですか？」

「あっ、はい。連絡をいただいた通り動きやすい格好できました」

「では行きましょうか」

少し大きめなリュックを背負った課長が歩き出し、その後を慌てて追った。
今日の連絡が入った時に、少し歩くから動きやすい格好で来るようにと指示があった。
動きやすい格好とはどんなものかと思ったけど、伸縮性のあるズボンと歩きやすいスニーカー、それと天気が良くても肌寒くなる可能性もあるからとコンパクトになるダウンも持ってきている。
もちろん先週買ったポータブルコーヒーメーカーと魔法瓶に入れたお湯もリュックに入っている。