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蕾は開き咲きほこる
第4章 変わる日常
それでも息があがり休憩をお願いしようと顔を上げた瞬間、目の前に鮮やかな桜の木が飛び込んみ、それは淡いピンクの枝垂れ桜で一瞬にして心を奪われる。

「気に入っていただいて何よりです。少し写真を撮るので坂上さんはゆっくりしていてください」

心を奪われていると課長は手際よくカメラの用意をして撮影を始めた。
それは以前見たことのある真剣な表情で、ファインダーを覗き込む課長に視線が釘付けになる。
この真剣な表情を私しか知らないのかもしれないと思うと、なぜか優越感が私を襲った。

「見上げてみてください。空の青と桜のピンクがきれですよ」

課長はファインダーから視線を外すことはなかった。
言われたように見上げると、雲一つない真っ青な空にピンクが生えて本当にきれいで何時間でも見上げていられそうだった。
その横ではカシャッという重厚なシャッターを切る音が鳴り続けていた。

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