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第5章 楽しい時間

「どうしたんですか？元気がないですけど？明日からGWですので羽目を外さない程度に楽しんでください」

何も知らない課長が優しく声をかけると、それが返って羽間さんの癇に障ったようだった。

「課長はいいですよね。明後日から松野下さんたちと旅行で。俺なんて一番行きたかったツーリングが雨でダメになったのにずるいじゃないですか」

明日が雨なのは課長のせいではないのに口を尖らせながら抗議する姿はどうみても小学生で、それを見ている私も苦笑い。
私だけではなく、社内に残っている同僚も苦笑いだった。

「今年のGWはずっと晴れマークではなかったですか？」

「雨ですよ、雨！！それも明日だけ雨になったんです」

羽間さんの言葉に眉間に皺を寄せた課長はPCで天気予報をチェックし、明日が雨だとようやく気が付いたようだった。
明日が雨だと分かっても課長の表情が変わることはない。
それどころか何も関係ないかのように羽間さんと話はじめた。