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第5章 楽しい時間

「キミの気持ちも分かりますが天候の変化はどうすることもできないでしょう」

「分かってますよ。分かってますけど……GWで空いている日は明日しかないんです。その貴重な一日が雨で台無しなんです。愚痴ぐらい言わせてください！！」

「そう言われても、ねぇ～」

羽間さんの言葉に困り顔の課長も珍しく、残っていた同僚たちの手を止めるには十分だった。

「一番楽しみにしていた予定がダメになった俺の気持ちは課長には分からないんですよ。課長は松野下さんたちと晴れたGWを楽しんできてください」

嫌味たっぷりに言われた課長は、はぁと大きなため息をついて、私にとってうれしい事を言ってくれた。

「明日が雨と聞いて大事な予定がダメになって残念に思っているのは私も同じですよ。ですが、どうしようもない事をグダグダ言っても仕方がないんです。ダメになった中で何をするか、仕事も遊びもそれが大事じゃないんですか？」