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蕾は開き咲きほこる
第5章 楽しい時間

「まさか、明日が雨になったせいで羽間くんに絡まれるとは思ってもいませんでした。彼のバイク好きは社内でも有名ですからせっかくの予定がキャンセルになって残念がる気持ちは分かりますが……」
課長はフーっとため息をつきながら、迷惑だったという言葉を飲み込んだように思えた。
「災難、でしたね」
「本当ですよ。私にも楽しみにしていた予定があるといのに……せっかくの藤棚ですが、明日は無理そうですね。GW中は見頃が続くので他の日にでもと言いたい所なんですが明後日からは私にも予定がありますから日を変えてということは無理そうです、申し訳ない」
天気が崩れて出かける予定が無くなったのは課長のせいではないのに、課長は律義にも頭を下げていた。
「いえっ、課長の、せいではありませんから……羽間さんのように、課長のせいにして絡みません」
慌てて課長のせいではないと言葉にしたのに、どこが面白かったのかクククッと肩を震わせながら笑った。

