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蕾は開き咲きほこる
第5章 楽しい時間
次の日は天気予報通り朝から雨だった。
前回のように駅前で待ち合わせをしようと言われたけど、雨の中待っていてもらうのも悪いし、話を聞けばお店を通り過ぎて駅に来ることになると聞けば申し訳なくてお店で落ち合うことにしてもらった。
だけどそれは正解だった。
家を出る時は小雨だったのに、電車を降りて桜子さんの店に行く頃には雨あしもひどくなりかなり濡れてしまった。
店の前で肩についた雨粒を払って扉を開けると、いつものように聞き心地の良い音が鳴る。
「こ、こんには」
「いらっしゃ――あらあら大変。これ、使ってちょうだい」
緊張する私を快く迎えてくれた桜子さんは、雨で濡れた私を見て慌ててタオルを持ってきてくれた。
そのタオルで濡れた服を簡単に拭いてカウンターに近づくと、カウンターの上には課長が撮ったと思われる桜の写真が広げられていた。
「こ、これって、この前の」
「そうですよ。坂上さんと行った時の写真です。坂上さんもよかったら見てください」
前回のように駅前で待ち合わせをしようと言われたけど、雨の中待っていてもらうのも悪いし、話を聞けばお店を通り過ぎて駅に来ることになると聞けば申し訳なくてお店で落ち合うことにしてもらった。
だけどそれは正解だった。
家を出る時は小雨だったのに、電車を降りて桜子さんの店に行く頃には雨あしもひどくなりかなり濡れてしまった。
店の前で肩についた雨粒を払って扉を開けると、いつものように聞き心地の良い音が鳴る。
「こ、こんには」
「いらっしゃ――あらあら大変。これ、使ってちょうだい」
緊張する私を快く迎えてくれた桜子さんは、雨で濡れた私を見て慌ててタオルを持ってきてくれた。
そのタオルで濡れた服を簡単に拭いてカウンターに近づくと、カウンターの上には課長が撮ったと思われる桜の写真が広げられていた。
「こ、これって、この前の」
「そうですよ。坂上さんと行った時の写真です。坂上さんもよかったら見てください」