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痴漢調教―野溝広美17才
第30章 奪われていた初めて
「あのドラマは乙女の憧れが全部詰まってるよねー」
恵美は会話を続ける。

広美は相づちを打ちながら会話を聞き入る。

「彼氏と手を繋いで学校通ったりさー、休み時間にこまめにメールしたり、そして放課後はちょっとエッチな事をする」
「まさに青春って感じよねー」

広美はふと気づく。

(あれ?わたしそれ体験してるかも…)
(あっ…、ウソ、イヤだ)

広美は太田と一週間やってきた事が頭によぎり絶望する。

(わたしあの人と全部やってる、手を繋いだり、メールしたり、エッチな事したり…)
(イヤだ、わたしはもう経験しちゃってる)
(どこの誰だかわからない、あんな人にわたしの青春奪われてる)

本来、好きな人と時間をかけて経験していく事を、自分の意図しない間に全てを奪われてる事に気がつき、目の前が真っ暗になった。

広美の一生の思い出になるであろう【初めて】は全て太田との思い出になってしまった。
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