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第55章 疑惑に思いながらも

広美は地下の部屋に案内され、少し待つように言われた。

(へぇー、あの人こんなでかい家に住んでるんだ)
(一人暮らしなのかしら)

広美は待っている間、いろいろな事を想像していた。

この部屋に入る前に二つの部屋があったことを思いだし、あの部屋には何があるんだろうとか家賃はいくらなんだろうとか考えていた。

トントン

ノックされたドアに反応し、扉を開けに行こうとしたが、ドアは開き太田が顔を出す。

長い時間待っていたせいで、なぜか広美は太田を見てホッとしてしまう。

手に持ってる布のような物を広美に差し出す。

「ほらこれ着けろ」

それは目隠しだった。
しかし今までのような目隠しではなくニット帽のような顔半分をしっかりと覆い隠すようなもの。


広美はいままでとは違う不安を感じならがも、指示に従いそれを装着し、目の前が真っ暗になり視界が失われた。