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遠き記憶を染める色【完結】
第15章 決意の二人
サダトはそんな流子をじっと見つめている。
やや目を細めて…。
それは優しくもあり、とても切ない目だった…。
「オレ…、それを試しに来たんだ。キミはオレが”こうなった”現場にいてくれたし、そのことを理解もしてくれてる。ならって…」
「私があなたの海になれるのなら私…」
「いいのか、流子ちゃん…?」
「うん…。愛してるよ、私、あなたを…」
正直、彼女には自信がなかったが、彼の気持ちはバンザイしたいほど嬉しかった。
***
気が付くと流子はサダトの膝の上に頭を埋もれさせていた。
両腕は彼の腰に回し、締めるように引き付けるように…、それは彼に抱きつくというよりはしがみついている感じだった。
サダトは目線を下ろし、両の手を優しく彼女の体に添えていた。
「できればキミとは、3年前の気持ちのまま愛し合いたかった…」
「私はあなたと愛し合えればどんな形でもいい。あなたが心の底から消せなくて苦しんでるあの女性を私が追っ払う…。その為なら…」
流子はある種、悲壮な決意を持った。
そして心のどこかには、”その愛し方”に至れる相手にならなければ、彼を自分のモノにできないという気持ちも宿っていたのかもしれない。
やや目を細めて…。
それは優しくもあり、とても切ない目だった…。
「オレ…、それを試しに来たんだ。キミはオレが”こうなった”現場にいてくれたし、そのことを理解もしてくれてる。ならって…」
「私があなたの海になれるのなら私…」
「いいのか、流子ちゃん…?」
「うん…。愛してるよ、私、あなたを…」
正直、彼女には自信がなかったが、彼の気持ちはバンザイしたいほど嬉しかった。
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気が付くと流子はサダトの膝の上に頭を埋もれさせていた。
両腕は彼の腰に回し、締めるように引き付けるように…、それは彼に抱きつくというよりはしがみついている感じだった。
サダトは目線を下ろし、両の手を優しく彼女の体に添えていた。
「できればキミとは、3年前の気持ちのまま愛し合いたかった…」
「私はあなたと愛し合えればどんな形でもいい。あなたが心の底から消せなくて苦しんでるあの女性を私が追っ払う…。その為なら…」
流子はある種、悲壮な決意を持った。
そして心のどこかには、”その愛し方”に至れる相手にならなければ、彼を自分のモノにできないという気持ちも宿っていたのかもしれない。