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遠き記憶を染める色【完結】
第17章 海でイッた二人
海でイッた二人
二人はイッた。
立ったまま、海の中で抱き合いながら…。
たった今、サダトの放出した白い精子は、穏やかに揺れる波に乗り海に還ったのか…。
人間としての性欲のとどのつまりに果てた二人は、ただ静かに”それ”をじっと見つめていた。
波間を漂いながら海に消えていくであろう、愛する人との行為の証しを…。
二人はどこかその”排泄物”と広大な海の重なり合いが、どこか厳粛なコントラストに見えたのかも知れない。
”まるで捧げものだ…”
流子はの脳裏には、ふとそんな思いがよぎった。
***
「流子ちゃん、ありがとう…」
「サダト兄ちゃん…、私、あなたと海で愛し合えたんだね?」
「うん…。とにかく帰って早くシャワー浴びよう…。いろいろ話したいんだ」
「うん!」
サダトは流子の肩を抱き寄せ、そのまま車の止まっている磯の上までゆっくりと歩いて行った。
***
「はい、これで拭いて」
サダトは車の後部座席にあった紙袋からバスタオルを2枚取り出し、1枚を流子に手渡した。
「お兄ちゃん…、じゃあ、最初から…」
流子はバスタオルを受け取ると、思わずそんな言葉が口に出た。
彼女の言わんとする意図をくみ取れたサダトは、バスタオルで海水を拭き取りながら、ニコッと笑って答えた。
「キミとは、海のなかで互いの気持ちを確かめたかった…」
「…」
びしょ濡れの二人はしばらくバスタオル作業をしながら、無言で笑顔を交わして合っていた。
***
二人はイッた。
立ったまま、海の中で抱き合いながら…。
たった今、サダトの放出した白い精子は、穏やかに揺れる波に乗り海に還ったのか…。
人間としての性欲のとどのつまりに果てた二人は、ただ静かに”それ”をじっと見つめていた。
波間を漂いながら海に消えていくであろう、愛する人との行為の証しを…。
二人はどこかその”排泄物”と広大な海の重なり合いが、どこか厳粛なコントラストに見えたのかも知れない。
”まるで捧げものだ…”
流子はの脳裏には、ふとそんな思いがよぎった。
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「流子ちゃん、ありがとう…」
「サダト兄ちゃん…、私、あなたと海で愛し合えたんだね?」
「うん…。とにかく帰って早くシャワー浴びよう…。いろいろ話したいんだ」
「うん!」
サダトは流子の肩を抱き寄せ、そのまま車の止まっている磯の上までゆっくりと歩いて行った。
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「はい、これで拭いて」
サダトは車の後部座席にあった紙袋からバスタオルを2枚取り出し、1枚を流子に手渡した。
「お兄ちゃん…、じゃあ、最初から…」
流子はバスタオルを受け取ると、思わずそんな言葉が口に出た。
彼女の言わんとする意図をくみ取れたサダトは、バスタオルで海水を拭き取りながら、ニコッと笑って答えた。
「キミとは、海のなかで互いの気持ちを確かめたかった…」
「…」
びしょ濡れの二人はしばらくバスタオル作業をしながら、無言で笑顔を交わして合っていた。
***