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第19章 懐かしい”妹”の部屋で

懐かしい”妹”の部屋で



”ザーッ…”


「う…、うっ…」


本家の浴室でシャワーを浴びていたサダトは、今は水と化した残り湯がたまっている湯船に肩までつかると…、マスターベーションで果てた。


海の中で流子を抱きながら射精してからさほど時間が経っておらず、”放出物”はわずかであったが、その絶頂感は全身を貫くほどで、彼は心臓をバクバクさせてコーフンした。


その際、頭の中で想像していたのは、流子ではあったが…。
それは、彼女とファックしている場面ではなかった…。


”オレ、彼女の愛し方がまだ見えていないのか…！”


湯船の中でふわふわと揺れる、今一仕事を終えた我がイチモツを水面から見下ろしながら、サダトは”いくつもの自分”に心の絶叫をぶつけるのだった…。


＊＊＊


この日の午後、帰京するサダトを囲む白昼の宴席は、午前１０時前から始まった。
場所はサダトが寝泊まりしていた本家ではなく、あえて同じ敷地内に建っている分家…、流子の家とした。


１階の１２畳ほどある畳の続き間では、両家がそろって、かなり早い昼食を兼ねたサダトとの”お別れ会”でにぎやかな時を過ごしていた。


「いやあ、こんなににぎやかで楽しい席はしばらくぶりだよなあ…。アハハハ…」


本家の主である磯彦は、後妻の映美子と、死別した先妻…、つまりサダトの叔母との間に設けた一粒種の長男浜人が、こうして皆が集まった場で和気あいあいに楽しくやっている光景を目にして感無量だった。


しかも、ここは自分の弟の分家で、サダトと姪の流子が並んで話題の中心になっている中でも、テレビで活躍するアイドルとなった先妻の血を引く青年にも、映美子は言わばファン的な立場で大はしゃぎしていて、それが何とも心を和ませていたのだろう…。


＊＊＊


「ああ、流子、久しぶりに２階のアンタの部屋にサダちゃん、連れてってあげなさいよ。浜人君以外は男子禁制って言っても、サダトちゃんは別でしょ？」


「アハハハ…」


皆は大笑いだった。