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遠き記憶を染める色【完結】
第31章 少女は真っ赤な夢を見た
少女は真っ赤な夢を見た



ほのかな憧憬と淡い胸のときめき…。
宝物だった穢れなき遠き記憶が、裏切りの刃をかざした時…。
少女は裸の海に抱かれ、真っ赤な夢を見た。


***


”ザーッ…!”


「流子ちゃーん!入っておいでー」


「はーい!今行くよー」


先にシャワーを浴びていたサダトからゴーがかかり、流子は居間から浴室へすっ飛んでいった。


”ガシャ…”


「サダト兄ちゃん…、私は全部受け止めるから…。遠慮なしでいい…」


「ありがとう。じゃあ、服はそのままで、一緒にシャワーを浴びよう…」


「私だけ、服のまんま…、なの?」


「そう…」


彼女はやや戸惑いながらも、半そでのポロシャツと白いミニスカート姿のまま浴室に入り、シャワーを浴びているサダトの後ろに立った。


***


”ジャー…”


「うわっ…」


「ハハハ…、熱くないかい、お湯?」


「うん、ちょうどいい。でも、服の上からお湯ってのもなんか変…」


流子は困惑したような顔でそう口にしたが、どこか体の芯がトロンとしたような変に気持ちがいい感じもあった。


「あー、オチンチン、起ってる…!」


彼女はいたずらっぽい口っぷりで、その口元はちょっといやらしくほころんでいた。
だが、彼の方はどこか思いつめたような神妙な顔つきだ。


「キミに感じてるんだ。普通の女の子が服のまま一緒に濡れてくれてる。もっと、一緒に浴びよう…」


”ジャー…”


「ああっ…」


思わず流子は呻いてしまった…。


***


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