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遠き記憶を染める色【完結】
第35章 晒し身で射る
晒し身で射る




『はい…。当時、潮田さんは8歳だったそうですが、漁師を営む潮田さんのお父様に連れられ、早朝、お二人は漁船で沖釣りをされていたそうなんですが、そこで当時14歳だった甲田さんが、過って船から海へ落ちたそうなんです。それで…』


女性レポーターは、浦潮に呑まれてサダトが溺れかけ、その時潮に”イカされた”ことで、自己の性に対する捉え方がこの体験で変化したと、のちに彼から告げれたという流子の証言を伝えた。


加えて、以後サダトが水の中での性交渉を欲する気持ちが抑えられなくなり、要するに、今回報道で明らかとされたサダトの特殊な性癖は”その行為”であったということも、彼女が彼本人からの告白という形で公に明かされた。


この報道が各局のワイドショーで発せられると、連日の甲田サダト関連はすべての面でピークに達した。
永島弓子は格好の”悪役”に仕立てられ、過去のアイドル喰いも掘り起こして、自身の話題作りに使う腹黒い女として格好のターゲットにされることとなったのだ。
言わば、一連の報道は、サダトから離れた話題の主に枝分かれしてしまう現象に至ったと…。


一方、芸能人だった愛する憧憬の人の為、実名を晒してまでカレの名誉と尊厳を守ったうら若き女子高校生潮田流子には、世の喝采と激励が送られることとなる。
それは、人気アイドルグループのメンバー、甲田サダトのファンからも…。


***


何しろ流子には、幼少期からサダトとは血の繋がらない遠い縁故関係という、何とも絶妙なポジション、さらに彼の”運命の分岐点”に居合わせた確たる”別格の勲章”、そして極めつけが過去のみならず、現在進行形で”彼”の深部に喰いこんでいた実証を手中にしている説得力があった。


これを以っては、世間一般の目のみならず、熱烈なサダトファンも彼女を”公認”するほかなく、それは妄信の側面さえも付していたと言えよう…。


そう…、流子はすべて計算づくだったのだ。
マスコミへサダトの性癖を生んだ大岬沖の浦潮に呑まれた一件、過去の自分とサダトとの一部始終、そして自ら実名と素性を世間に明かすことをで、”何”が起こりうるのかを…。


***


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