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遠き記憶を染める色【完結】
第37章 ラストの矢
”…しかし…、私が高校16歳になって、この8月に大岬で再会した彼からは4年前の愛し方ではなく、もうひとつの彼にとっては必要な愛され方を私に求めてくれました。私は彼の内面を深く理解した上で、それを受け入れました。二人は心と体両方でその愛を確かめ合い、誓い合いました。…ですから、彼との本当の交際過程を認めてくれた永島さんには感謝していますし、申し訳ない気持ちもあります”


***



手記はこの後、最終結論に至る…。


”…今回、サダトさんがあのような衝撃的な形で自ら命を絶ったことは、言葉が出ないほど悲しいですし、やはり自殺は身勝手な行為だと思います。いずれあの世で彼と再会したら、しっかり叱りつけます。でも、私には何故なの?という気持ちはないんです。彼はずっと自分自身と戦っていたし、いずれ海の捧げものになる決意は変わらなったでしょうから。この夏、私と深くつながって、彼はやっと自由になれた。それを私は理屈抜きで理解でき、許容もできるんです”


”…私がお伝えできるのは、ここまでです。今でも心の底から慕い、愛している彼の尊厳はできる限り守ってあげたい。これが一番でした。その一方で、レッツロールのメンバー、事務所関係者の方々、そしてこれまでずっと応援してくれたサダトさんのファンの皆さんには、彼に代わって、心よりごめんなさいをさせていただきます。また、一般人に過ぎない高校生に過ぎない私の出すぎた今回の行為では、大変お騒がせしました。どうかお許しください…”


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