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異邦人の庭 〜secret garden〜
第5章 ペニー・レーンの片想い
…ほとんど黒に近いアンスラサイトブルーのメルセデスベンツ最高峰Sクラスのテールランプが視界から夢のように消え去ると、メンバーたちは一斉にどやどやと隼人に詰め寄る。
「お、おい!隼人!どういうことなんだよ!
サーヤ姫の婚約者って…?
お兄ちゃまってゆ〜てたやないか!
お兄ちゃまが婚約者なのか⁈え⁈
まさか、禁断の関係⁈
ど、ど〜ゆ〜こっちゃ⁈」
隼人が腹立たしげに唇を歪める。
「うるっせえな。
…紗耶は親戚のあのひとと婚約しているらしい。
なんかよく知らねえけど、由緒正しい超名門の家柄みたいだな。
…俺たち庶民には分からない事情があるんじゃねえか?」
言い捨てて踵を返そうとすると、傍らに佇む梢が淡々と呟いた。
「…なんか、初っ端から難儀な恋になりそうだねえ…」
足を止め、眉を寄せる。
「は?別に、俺はあいつのこと何とも思ってね〜し。
俺が好きなのはシャーデー・アデュみたいに自立したクールでかっけ〜大人のオンナなの。
お嬢様はシュミじゃねえんだよ」
ずんずん歩き出す後ろ姿に、梢のやや同情めいた眼差しが注がれるのを隼人は煩げに払いのけたのだった。
「お、おい!隼人!どういうことなんだよ!
サーヤ姫の婚約者って…?
お兄ちゃまってゆ〜てたやないか!
お兄ちゃまが婚約者なのか⁈え⁈
まさか、禁断の関係⁈
ど、ど〜ゆ〜こっちゃ⁈」
隼人が腹立たしげに唇を歪める。
「うるっせえな。
…紗耶は親戚のあのひとと婚約しているらしい。
なんかよく知らねえけど、由緒正しい超名門の家柄みたいだな。
…俺たち庶民には分からない事情があるんじゃねえか?」
言い捨てて踵を返そうとすると、傍らに佇む梢が淡々と呟いた。
「…なんか、初っ端から難儀な恋になりそうだねえ…」
足を止め、眉を寄せる。
「は?別に、俺はあいつのこと何とも思ってね〜し。
俺が好きなのはシャーデー・アデュみたいに自立したクールでかっけ〜大人のオンナなの。
お嬢様はシュミじゃねえんだよ」
ずんずん歩き出す後ろ姿に、梢のやや同情めいた眼差しが注がれるのを隼人は煩げに払いのけたのだった。