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異邦人の庭 〜secret garden〜
第6章 ペニー・レーンの片想い 〜Lady Yの告白〜
…吸い寄せられるように、さながらギリシア神話の美神の化身のような青年に近づく。

天使のようなプラチナブロンドの髪が春の陽光に輝き、眩しい。
優美で緻密な雪花石膏のような貌だ。
閉じられた長く濃い睫毛は榛色で、クリームのように白い肌に影を濃く落としていた。

完璧に美しいものを見た純粋な感動から、徳子は間近から青年を覗き込む。

…と、不意に…
「…驚いた。
薔薇の精の夢を見ていたら…眼の前に東洋の美しい天女が現れた」

美しい紺碧の瞳が見開いて、徳子に笑いかけたのだ。

思わず後退りする徳子の手を、青年はしなやかに捕らえる。
「貴女がレディ・ヨシコですね?
お貌を見てすぐに分かりました。
…東洋の麗しき薔薇…。
ようやく、お会いできた…」
そのまま、徳子の手の甲に口付ける。

…美しい青年の唇は、熱を持ったかのように熱かった。



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