この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異邦人の庭 〜secret garden〜
第7章 コーネリアの娘
千晴の運転する深い海の色のドイツ車は、駅のロータリーになめらかに滑り込んだ。
「着いたよ、紗耶ちゃん」
シートベルトを外し、駅の改札口を伺う。
…もうすでにサークルのメンバーが何人か集まっているようだ。
賑やかな一団が眼を惹く。
中には黒いキャップを被った背の高い隼人の姿もあった。
…間に合った。良かった…。
紗耶はほっとする。
「千晴お兄ちゃま、ありがとう」
お礼を言う紗耶に千晴は一度車外に降り立ち、助手席のドアを開ける。
…優雅な所作とレディファーストの精神は、千晴の身体に染み付いているようだ。
「楽しんできて、紗耶ちゃん」
優しい笑顔にほっとして、笑い返す。
「ありがとう、お兄ちゃま。
…じゃあ、行ってきます…」
…改札口に向かって歩きかけた腕を、不意に引き寄せられたかと思うと、そのまま顎を捉えられた。
「…愛している…。紗耶ちゃん…」
端麗な貌…美しい鳶色の瞳が近づき、甘やかに唇が奪われる。
驚きに、息を呑む。
「…あ…っ…」
…その吐息ごと、熱く、巧みに千晴に奪われる。
改札口から大歓声が湧き上がる。
強く抱き竦められ、紗耶のキャップが地面に転がった。
「着いたよ、紗耶ちゃん」
シートベルトを外し、駅の改札口を伺う。
…もうすでにサークルのメンバーが何人か集まっているようだ。
賑やかな一団が眼を惹く。
中には黒いキャップを被った背の高い隼人の姿もあった。
…間に合った。良かった…。
紗耶はほっとする。
「千晴お兄ちゃま、ありがとう」
お礼を言う紗耶に千晴は一度車外に降り立ち、助手席のドアを開ける。
…優雅な所作とレディファーストの精神は、千晴の身体に染み付いているようだ。
「楽しんできて、紗耶ちゃん」
優しい笑顔にほっとして、笑い返す。
「ありがとう、お兄ちゃま。
…じゃあ、行ってきます…」
…改札口に向かって歩きかけた腕を、不意に引き寄せられたかと思うと、そのまま顎を捉えられた。
「…愛している…。紗耶ちゃん…」
端麗な貌…美しい鳶色の瞳が近づき、甘やかに唇が奪われる。
驚きに、息を呑む。
「…あ…っ…」
…その吐息ごと、熱く、巧みに千晴に奪われる。
改札口から大歓声が湧き上がる。
強く抱き竦められ、紗耶のキャップが地面に転がった。