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異邦人の庭 〜secret garden〜
第7章 コーネリアの娘
「…本当に…私、お部屋に帰らなくてよいの?」
紗耶は千晴の逞しい腕枕の中で、おずおずと尋ねた。
…深夜1時を過ぎてしまった。
こんな夜中に、紗耶が千晴の寝台にいることが分かったら、家政婦の八重は仰天することだろう…。
昔気質の八重にとって未婚の男女が同じ寝台にいるなど、あり得ないほどに非常識で、はしたないことだからだ。
「…いいよ。このまま、ここでおやすみ…」
千晴が紗耶を優しく抱き寄せる。
そうして紗耶の額に清らかなキスを落とす。
「…紗耶ちゃんと、こうして朝まで一緒にいられるなんて…幸せだ…」
髪を撫でられ、甘く微笑まれる。
…紗耶もふわふわ浮遊するような幸福感の中、あることを思い出した。
「…あ、あのね。お兄ちゃま。
紗耶ね、高尾山の神社でお兄ちゃまにお守りを買ったの。お揃いのお守りなの」
鳶色の瞳が細められる。
「そう…。ありがとう。嬉しいな…紗耶ちゃんとお揃いか…」
「…明日…渡すわね…。
…紗耶…もう…眠くなっちゃった…から…」
長い睫毛を重たげに瞬く。
…今日は色々なことがありすぎた…。
朝から高尾山に登って…バーベキューをして…帰りに足を捻挫して…隼人先輩に背負ってもらって…
…それから…
…千晴お兄ちゃまと…大人のキスをして…
…誰よりも、愛していると言ってもらえた…。
…幸せな…幸せな…一日…。
紗耶はうとうとしながら、千晴の引き締まった胸元に頰を摺り寄せる。
白檀の薫りが、紫織の調合でも構わなかった。
…だって…
「…お兄ちゃま…愛してる…」
甘く温かい蜜のような微睡みに落ち入りながら、微かに響く言葉は…
「…愛しているよ…。可愛い紗耶…」
…愛おしい男の声だけだ…。
紗耶は千晴の逞しい腕枕の中で、おずおずと尋ねた。
…深夜1時を過ぎてしまった。
こんな夜中に、紗耶が千晴の寝台にいることが分かったら、家政婦の八重は仰天することだろう…。
昔気質の八重にとって未婚の男女が同じ寝台にいるなど、あり得ないほどに非常識で、はしたないことだからだ。
「…いいよ。このまま、ここでおやすみ…」
千晴が紗耶を優しく抱き寄せる。
そうして紗耶の額に清らかなキスを落とす。
「…紗耶ちゃんと、こうして朝まで一緒にいられるなんて…幸せだ…」
髪を撫でられ、甘く微笑まれる。
…紗耶もふわふわ浮遊するような幸福感の中、あることを思い出した。
「…あ、あのね。お兄ちゃま。
紗耶ね、高尾山の神社でお兄ちゃまにお守りを買ったの。お揃いのお守りなの」
鳶色の瞳が細められる。
「そう…。ありがとう。嬉しいな…紗耶ちゃんとお揃いか…」
「…明日…渡すわね…。
…紗耶…もう…眠くなっちゃった…から…」
長い睫毛を重たげに瞬く。
…今日は色々なことがありすぎた…。
朝から高尾山に登って…バーベキューをして…帰りに足を捻挫して…隼人先輩に背負ってもらって…
…それから…
…千晴お兄ちゃまと…大人のキスをして…
…誰よりも、愛していると言ってもらえた…。
…幸せな…幸せな…一日…。
紗耶はうとうとしながら、千晴の引き締まった胸元に頰を摺り寄せる。
白檀の薫りが、紫織の調合でも構わなかった。
…だって…
「…お兄ちゃま…愛してる…」
甘く温かい蜜のような微睡みに落ち入りながら、微かに響く言葉は…
「…愛しているよ…。可愛い紗耶…」
…愛おしい男の声だけだ…。