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異邦人の庭 〜secret garden〜
第9章 ガブリエルの秘密の庭 〜甘く苦い恋の記憶〜
…その日から今日まで毎日、紫織は藤木にお弁当を作り続けている。
毎朝、化学準備室の机の上にランチボックスを置き、短いメモを添える。
ランチボックスは使い捨てのペーパー製だから、返す必要はない。
だから、メモは紫織の日記や呟きのようでもあった。

『今日のスコッチエッグは自信作です。
…もうすぐ中間テストで憂鬱です』
とか
『今日はガパオライスです。パクチー、大丈夫ですか?
…友だちが失恋したので昨日一晩中電話で慰めていたから寝不足です。化学の時間だけ寝ないようにします』
とか
『今日はクラブハウスサンド!家政婦さんに手伝ってもらわないでできました!
…そろそろ暑くなるから保冷剤入れておきます。
今年の夏休みは、父に軽井沢の三笠ホテルに連れて行ってもらいます。
…軽井沢、長野だから諏訪にも寄れるかな?
てか、軽井沢と諏訪って近いですか?』
…他愛のないものばかりだ。

それに対して藤木は時折、授業のあとや廊下ですれ違う時にさり気なく紫織を呼び止め
「…美味しかったよ。ありがとう」
と、告げて週に一、二度
「良かったら放課後、お茶を飲みにおいで」
誘ってくれるのだ。






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