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異邦人の庭 〜secret garden〜
第9章 ガブリエルの秘密の庭 〜甘く苦い恋の記憶〜
「はい。お疲れ様。
…飲みなさい…」
受話器を置いた紫織に、白いマグカップが差し出された。

「…ありがとうございます…」
おずおずと受け取る。

…甘いミルクとジンジャーの香り…それから…?

「ジンジャー・シナモン・カルダモン・ハニーミルクティだ。
身体が温まるよ」
ロマンチックな恋の呪文のように、告げられた。

「…スタバみたい…。
ありがとうございます。いただきます…」
少し照れながら、大人しくマグカップを口に運んだ。

温かくて優しくて、甘くて少しスパイシーなミルクティは、まるで藤木のようだ。
「…美味しい…。チャイとも少し違うし…不思議な味…」
呟くと、マグカップを持った藤木が紫織の隣に腰を下ろし、微笑んだ。
「…良かった…。
スパイスをブレンドするのが好きなんだ。
その人に合わせてね…。
ジンジャーは身体を温めるし、シナモンは血行を良くする。
カルダモンは気持ちを落ち着かせる。
…それからミルクと蜂蜜は、子どもがよく眠れるように…」
紫織は少しむっとする。
「子どもじゃないわ」
「…分かってる。
子どもじゃないから、困ってる…。
…こんなに綺麗な女の子が、ぼくの隣にいて…。
…どうしたらいいか分からなくて…間が持たなくて困ってる…」
気弱に小さく微笑む藤木の榛色の瞳を、紫織は見上げる。
「…間が持たないの?」
「…うん…」
…温かな吐息が触れ合いそうな距離まで近づいて、囁く。
「…じゃあ、もう一回キスして…」
「…北川さ…」

…二回目のキスは、紫織が奪った。

…ジンジャー・シナモン・カルダモン・ハニーミルク…そして紅茶…。
甘く切ない味がした…。

「…紫織だわ…」
唇を離して、そっと訂正する。
「…紫織…」

…三回目のキスは、藤木から与えられ…それは熱く長く…蜂蜜よりも甘い口づけとなったのだ…。
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