この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
異邦人の庭 〜secret garden〜
第10章 ビーカーとマグカップ 〜甘く苦い恋の記憶〜
「房総?
…先生は長野ご出身じゃなかったの?」
少し驚いて尋ねる。
「うん。小さな頃にね。
…小学校に上がるまでかな…。
だからもう二十年以上帰ってないんだけれど…。
…すっかり変わっているかな…」
フロントガラス越しの初夏の陽射しが眩しいのか、サングラスを掛けハンドルを握る藤木は、紫織の見知らぬ横貌を持つ…。

その端正な横貌を見ながら、ふと思う。

…私って、藤木先生のことをまだ何も知らないんだわ…。
微かな寂しさが胸を過ぎる。

「…先生…」
「うん?」
優しく視線を送ってくれる男に、愛を込めて告げる。

「…大好きよ…」
…大好き。
泣きたくなるほどに、大好き。
…きっともう、一生、この人以上に好きになれるひとは現れないだろう…。
切ない予感に苦しくなるほどだ。

藤木から温かな吐息のような微笑みが漏れ…紫織の白い頰に素早く、慈しみのキスが贈られた。

「美人に見惚れて前方不注意だ。
気をつけなきゃ」
大きな片手で愛おしげに紫織の髪を撫で、男は朗らかに笑った。


/789ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ