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異邦人の庭 〜secret garden〜
第10章 ビーカーとマグカップ 〜甘く苦い恋の記憶〜
「…そんな…」
驚きのあまり、掠れた声しか出ない。
「…嫌…?」
不安そうに貌を覗き込まれ、紫織は慌てて首を振る。
「違うわ…!
…そんな…いきなり…。
そんな大事なお話を…シチューを食べながらなんて…。
全然ロマンチックじゃないわ…ムードがないわ…」
言いながら目頭が熱くなり、胸が一杯になる。
嬉しいのに、憎まれ口を叩いてしまう。
「ご、ごめんね。紫織…」
慌てて藤木が椅子から立ち上がり、紫織のそばに歩み寄る。
「どうしても君に言っておきたかったんだ。
君を、どんなに愛しているかを…。
僕は本当に情緒がない男だ…」
懸命に詫びる男の引き締まった腰に、全力で抱きつく。
「バカ…。
嬉しいの…。
…信じられないくらいに…嬉しいの…」
「…紫織…」
藤木の大きな手が優しく紫織の髪を撫で、顎を捉える。
「…愛しているよ…」
…そのまま、愛の言葉と熱いキスを与えられる。
「…先生…私も…よ…」
甘い口づけが幾度も交わされ、愛おしげに抱きしめ合う…。
…その刹那、テーブルに置かれた藤木の携帯電話が、無機質な音を立てて鳴り響いたのだ…。
驚きのあまり、掠れた声しか出ない。
「…嫌…?」
不安そうに貌を覗き込まれ、紫織は慌てて首を振る。
「違うわ…!
…そんな…いきなり…。
そんな大事なお話を…シチューを食べながらなんて…。
全然ロマンチックじゃないわ…ムードがないわ…」
言いながら目頭が熱くなり、胸が一杯になる。
嬉しいのに、憎まれ口を叩いてしまう。
「ご、ごめんね。紫織…」
慌てて藤木が椅子から立ち上がり、紫織のそばに歩み寄る。
「どうしても君に言っておきたかったんだ。
君を、どんなに愛しているかを…。
僕は本当に情緒がない男だ…」
懸命に詫びる男の引き締まった腰に、全力で抱きつく。
「バカ…。
嬉しいの…。
…信じられないくらいに…嬉しいの…」
「…紫織…」
藤木の大きな手が優しく紫織の髪を撫で、顎を捉える。
「…愛しているよ…」
…そのまま、愛の言葉と熱いキスを与えられる。
「…先生…私も…よ…」
甘い口づけが幾度も交わされ、愛おしげに抱きしめ合う…。
…その刹那、テーブルに置かれた藤木の携帯電話が、無機質な音を立てて鳴り響いたのだ…。