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異邦人の庭 〜secret garden〜
第11章 ミスオブ沙棗の涙 〜甘く苦い恋の記憶〜
「紫織も今日はいつにも増して可愛いね」
旅先の開放感は藤木も同じのようだ。
軽やかに話しかけてくる。
「そのワンピース、コートにとても良く似合ってる。
すごく可愛い」

…ミルク色のニットのミニ丈ワンピースに真紅のダッフルコート。
足元はオフホワイトのショートブーツだ。
耳元にはパールのイヤリング。
…昨年の誕生日に、父親がミキモト本店でプレゼントしてくれたピンクパールだ。
髪は緩くカールさせてポニーテールにしてみた。
父親のフィレンツェ土産の髪留めにもパールがあしらわれている。
コーディネートに昨夜、散々迷った。
部屋中、洋服とバッグとアクセサリーで溢れ返った。
可愛らしく映っているなら、嬉しい。

「…可愛すぎてあんまり見られない…」
照れくさそうに、藤木が前を見て呟いた。

「やだ。そんなの。
たくさん見てくれなきゃ」
わざと膨れっ面で藤木の腕をぎゅっと掴む。
「こら、危ない」
「…ちゃんと見て…」
…私だけを見て…。
ずっとずっと…永遠に…。
祈るように、心の中で呟いた。

ハンドルを握りながら、藤木が小さくため息を吐く。

「…あとで嫌ってほど見てあげるから、今は我慢して」

そう囁くやいなや、素早く口唇が奪われる。

「…あ…っ…」

見上げたときは、藤木はもう真っ直ぐ前を見て運転していた。

榛色の美しい瞳が冬の陽光に煌めき、優しく微笑った。

「…大好きだよ、紫織…」

返せる言葉は、たったひとつだ。

「…私もよ…。
大好き、先生…」

…何回でも、何回でも伝えたいのだ…。





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