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異邦人の庭 〜secret garden〜
第11章 ミスオブ沙棗の涙 〜甘く苦い恋の記憶〜
「…ありがとう…。そんな素晴らしい香水を…。
嬉しいわ。大切にするわね…」
紫織は藤木の手を強く握り返し、白い頰を寄せた。
…藤木が一番愛している香水を、クリスマスプレゼントに贈られた。
胸がきゅんとなるような幸せを、しみじみと感じる。
「…君のプレゼントは…?」
とても楽しみにしているような表情が笑っている。
紫織は少し躊躇した。
「…先生に比べたら、つまらないものだわ…」
「そんなことはない。
紫織が選んでくれたというだけで世界にひとつだけの宝物だよ」
藤木の言葉に励まされ、おずおずとプレゼントをテーブルの上に置く。
…ラルフローレンのブランド袋に赤いリボンがかかっている。
「開けていい?」
紫織は頷く。
少し心配そうに呟く。
「…気に入ってもらえるといいんだけれど…」
藤木の綺麗な手が器用にリボンを解き、袋を開ける。
「…マフラーだ…」
藤木が眼を見張る。
榛色の暖かそうなカシミアのマフラー…。
ショップで見て一目で気に入ったのだ。
…先生の眼と同じ色だわ…と…。
いたずらっ子のようにそっと囁く。
「…私ね、先生のマフラーをもらいたかったの…。
だから、交換こね」
藤木が温かく小さく笑う。
そうして、紫織の頰を優しく撫でながら誠実に告げた。
「ありがとう。紫織。
すごくいい色だね。素敵だ。
大切に使うよ」
…窓の外には、天使の吐息のような粉雪がふわりと舞っていた。
嬉しいわ。大切にするわね…」
紫織は藤木の手を強く握り返し、白い頰を寄せた。
…藤木が一番愛している香水を、クリスマスプレゼントに贈られた。
胸がきゅんとなるような幸せを、しみじみと感じる。
「…君のプレゼントは…?」
とても楽しみにしているような表情が笑っている。
紫織は少し躊躇した。
「…先生に比べたら、つまらないものだわ…」
「そんなことはない。
紫織が選んでくれたというだけで世界にひとつだけの宝物だよ」
藤木の言葉に励まされ、おずおずとプレゼントをテーブルの上に置く。
…ラルフローレンのブランド袋に赤いリボンがかかっている。
「開けていい?」
紫織は頷く。
少し心配そうに呟く。
「…気に入ってもらえるといいんだけれど…」
藤木の綺麗な手が器用にリボンを解き、袋を開ける。
「…マフラーだ…」
藤木が眼を見張る。
榛色の暖かそうなカシミアのマフラー…。
ショップで見て一目で気に入ったのだ。
…先生の眼と同じ色だわ…と…。
いたずらっ子のようにそっと囁く。
「…私ね、先生のマフラーをもらいたかったの…。
だから、交換こね」
藤木が温かく小さく笑う。
そうして、紫織の頰を優しく撫でながら誠実に告げた。
「ありがとう。紫織。
すごくいい色だね。素敵だ。
大切に使うよ」
…窓の外には、天使の吐息のような粉雪がふわりと舞っていた。