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異邦人の庭 〜secret garden〜
第11章 ミスオブ沙棗の涙 〜甘く苦い恋の記憶〜
…一度目はベッドの中で、やや荒々しく身体を奪われた。

…けれどそれは、紫織に快楽を与えることを優先にした愛し方だ。

ミスオブ沙棗が淫らな薫りを漂わせ…二人は我を忘れて快楽に溺れた…。

二度目は露天風呂で愛し合った。

悦楽の淵に揺蕩い、まだ息も整わぬ紫織を藤木はその引き締まった腕で抱き上げ、バルコニーの露天風呂に運んだ…。

「…ああ…いや…こんなところで…はずかし…」
必死で抵抗する紫織に優しいキスを与え、宥める。

「…誰もいないよ…二人きりだ…。
それに…雪灯りだけだから…紫織…」
「…先生…」

温かな風呂の中で、男は紫織に命じた。
「…そこに捕まって…腰を突き出して…」
湯船の中…背中を向けさせられ、背後から性交されるのだと気づき、紫織は羞恥に震えた。
そんな獣じみた体位で愛し合ったことはなかったのだ。
「…い…や…そんな…はずかしい…」
「腰を上げて…いい子だから…紫織…」
「…ああ…できな…い…」
恥ずかしさのあまり、紫織は檜風呂の縁に貌を伏せた。
「…あ…ああ…ん…っ…!」
…男が紫織の脚を押し開き、熱く硬く昂ぶる牡をじっくりと挿入した。

「…んんっ…ああ…おお…き…い…っ…」
…快楽に馴らされた身体は、素直に淫らな言葉を口にしてしまう…。
「…いやらしい子だ…。
…これが…好きなの…?」
微かに微笑みながら、ゆっくりと紫織の最奥に身体を進めた。

「…ああ…っ…!…おく…まで…きちゃ…う…」
長い髪を振り乱し、仰け反る。
背後から白く形の良い顎を捕らえられ、甘く囁かれる。

「…もっと感じて…。
君はすべて僕のものだ…」

…だから…美しく乱れる君を…もっと見せてくれ…。
官能に濡れた言葉とともに、熱い口づけを与えられた…。

「…ああ…からだが…どうにかなりそ…う…」
…体内の熱い蜜が蕩け、紫織の花芯から溢れだす…。

「…せんせ…い…いい…っ…ああ…ん…っ…」
「…紫織…よく締まるね…。
…綺麗で馨しくいやらしい…最高の身体だ…」

激しい湯音を立てながら、男が紫織の身体を貪り尽くす。
紫織は切なげに啜り泣く。
「…先…生…愛してる…わ…」
「僕もだよ…紫織…誰よりも愛している…」
そうして、美しい獣のように愛し合う。

二人の甘く濡れた吐息は、白い雪の結晶と…微かなミスオブ沙棗の薫りと融け合い…やがて跡形もなく儚く消えていった…。

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