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異邦人の庭 〜secret garden〜
第11章 ミスオブ沙棗の涙 〜甘く苦い恋の記憶〜
紫織は一目散に玄関に走り出した。
…先生だわ…!
「先生!どこに行っていたの⁈
心配してたのよ!」
紫織は満面の笑顔でドアを開けた。
…けれど…
…そこにいた人物の貌を見て、紫織は凍りついた。
「…お母様…?」
…上質な絞りの訪問着を身に纏った蒔子が感情の読めない微笑みを浮かべ、眼を細めた。
「紫織さん。こんなところに閉じ込められていたのね。
かわいそうに…。
もう大丈夫よ。お母様が助けに来て差し上げましたからね。
…さあ、帰りましょう」
…そう言うと、恐ろしいほどの力で紫織の腕を掴み引き寄せたのだった。
「さあ、帰るのよ。紫織」
…蒔子の京雛に似た一重の細い眼差しが、冷たく紫織を睥睨していた。
…先生だわ…!
「先生!どこに行っていたの⁈
心配してたのよ!」
紫織は満面の笑顔でドアを開けた。
…けれど…
…そこにいた人物の貌を見て、紫織は凍りついた。
「…お母様…?」
…上質な絞りの訪問着を身に纏った蒔子が感情の読めない微笑みを浮かべ、眼を細めた。
「紫織さん。こんなところに閉じ込められていたのね。
かわいそうに…。
もう大丈夫よ。お母様が助けに来て差し上げましたからね。
…さあ、帰りましょう」
…そう言うと、恐ろしいほどの力で紫織の腕を掴み引き寄せたのだった。
「さあ、帰るのよ。紫織」
…蒔子の京雛に似た一重の細い眼差しが、冷たく紫織を睥睨していた。