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異邦人の庭 〜secret garden〜
第11章 ミスオブ沙棗の涙 〜甘く苦い恋の記憶〜
…「私に…飽きた…?」
信じられない言葉に、思わず鸚鵡返しになる。
「ああ。飽きた」
まるで途中で飽きてしまったお菓子をぽいと捨てるように…言い放たれた。
「…嘘…嘘よ…。
あんなに…愛している…て言ってくれたじゃない…。
数日前に…あんなに…。
初詣に行く約束もしたじゃない…。
急におかしいわ!絶対に何か隠してる!」
掴みかかる紫織の手を、藤木が邪険に振り払う。
「うるさいな。
飽きたものは仕方がないじゃないか。
気持ちは変わることもある。
それが人間だ」
そのまま背を向け、淡々と続ける。
「…それに…いい潮時じゃないか」
「潮時…?」
紫織は眉を顰める。
「ああ、そうだ。
よく考えたら、僕と君とじゃ立場が違う。
君は所詮、深窓のお嬢様だ。
いずれ然るべき良家に嫁ぐのが自然なんだよ。
…君のように美人で富裕層の娘には、セレブな男たちとの縁談が降るように訪れるだろう。
僕みたいなしがない高校教師とは不釣り合いだ。
仮に結婚したとしても上手くいくはずがない。
深入りする前に別れて正解なんだよ」
信じられない言葉に、思わず鸚鵡返しになる。
「ああ。飽きた」
まるで途中で飽きてしまったお菓子をぽいと捨てるように…言い放たれた。
「…嘘…嘘よ…。
あんなに…愛している…て言ってくれたじゃない…。
数日前に…あんなに…。
初詣に行く約束もしたじゃない…。
急におかしいわ!絶対に何か隠してる!」
掴みかかる紫織の手を、藤木が邪険に振り払う。
「うるさいな。
飽きたものは仕方がないじゃないか。
気持ちは変わることもある。
それが人間だ」
そのまま背を向け、淡々と続ける。
「…それに…いい潮時じゃないか」
「潮時…?」
紫織は眉を顰める。
「ああ、そうだ。
よく考えたら、僕と君とじゃ立場が違う。
君は所詮、深窓のお嬢様だ。
いずれ然るべき良家に嫁ぐのが自然なんだよ。
…君のように美人で富裕層の娘には、セレブな男たちとの縁談が降るように訪れるだろう。
僕みたいなしがない高校教師とは不釣り合いだ。
仮に結婚したとしても上手くいくはずがない。
深入りする前に別れて正解なんだよ」