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異邦人の庭 〜secret garden〜
第12章 ミスオブ沙棗の涙 〜遠く儚い恋の記憶〜
「…え…?」
思わず口唇が震えた。

「…私も藤木に直接会ったわけではありません。
私の母から聞いた話です」
堂島の母と藤木の母は友人だと聞いていた。

「…あの…。先生のお母様の手術は…?」
ずっと気掛かりだったことをまず尋ねた。

「ええ。心臓移植は無事に成功してお元気になりましたよ。
もう日本に帰国されて、今は生まれ故郷の房総の町で療養されていると聞きました」
「良かった…!」
思わずほっとため息を吐く。
そんな紫織をじっと見つめ、しみじみと男が呟く。

「紫織さんは優しい方だな…。
こう言ってはなんですが、彼の母が原因で貴女と藤木は別れたのでしょう?
複雑な思いはないのですか?」
紫織はきっぱりと首を振る。
「いいえ。
…だって、先生はお母様のために色々なことを諦めたんです。
…それなのにもしお母様が亡くなりでもしたら…先生が可哀想すぎるわ…」

「…貴女ってひとは…」

堂島がぽつりと呟く。
「…本当に藤木を愛していたんですね…」

…そうして感情を抑え、淡々と語り始めた。

「藤木は今、ニューヨークで暮らしています。
…心臓外科医の奥さんと一緒にね…」



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