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異邦人の庭 〜secret garden〜
第12章 ミスオブ沙棗の涙 〜遠く儚い恋の記憶〜
「…堂島さん…。
そんな…唐突に…」
紫織は狼狽えた。
「貴女はもう藤木を忘れて新しい恋をすべきだ。
…そのために僕を利用してくれてもいい」
「…利用なんて…」
少し憤慨したように言い返すと、堂島が人懐っこい笑い声を立てた。
「それくらい軽く考えていただいていいんですよ。
…とりあえず、お友だちから始めてください。
…あれ?なんかそんなテレビ番組、昔ありましたね?」
紫織は釣られてくすりと笑った。
堂島が驚いたように眼を見張った。

…そうして…
「…美人が笑うとすごい破壊力だな…」
とどこか不器用に呟くと、改まったように…

「…よろしければメールアドレスと電話番号を教えていただけますか?」
十歳も年上の男と思えぬほど丁寧に謙って尋ねてきたのだった。
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