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異邦人の庭 〜secret garden〜
第12章 ミスオブ沙棗の涙 〜遠く儚い恋の記憶〜
…堂島とはあの日以来、週に一度、堂島が仕事で京都を訪れる際に会っていた。
いわゆる…デートと名付けられるものだと思う。
「厚かましいんですけれど、紫織さんに京都を案内していただきたいんです。
仕事で来るばかりで、ほとんど観光してないんですよ。
食事もホテルのレストランばかりで味気なくてね…」
屈託なく言われ、なんとなくすんなりOKしてしまったのだ。
堂島にはどことなく憎めない人なつこい魅力があり、そのペースに紫織はついつい引き込まれてゆくのだ。
堂島は北山の曄子の家まで迎えに来ることもあるし、大学まで迎えに来ることもある。
お堅いキリスト教系の女子大の校門にSクラスのダイヤモンドホワイトのベンツはとても目立った。
しかも車から降り立つ堂島は、一目でわかるイタリアのハイブランドのスーツ姿だ。
磨き上げられた靴はフェラガモのUチップ、腕時計はロレックスのコスモグラフ デイトナ…三百万は下らないタイプだ…。
おまけに大学時代アメフト部にいたという彼は、日本人離れした大柄な逞しい身体つきをしている。
貌立ちも男らしく魅力的だ。
眼を引かない訳がない。
「…北川さん、すごいひととお付き合いしているのね…」
たまたま見かけた級友が羨ましげにため息を吐いた。
「どこで知り合ったの?」
「…別に…東京に居た時の知り合いよ」
さらりと答える。
「でも、お付き合いしているんでしょう?
毎週熱心に迎えに来るものね」
興味津々の友人に、紫織は曖昧な笑みを浮かべる。
「…さあ、どうかしら…。
まだよく分からないわ」
「…ふうん…」
不可解な表情の友人に
「じゃあ、またね…」
挨拶をして、堂島のもとに向かう。
…よく分からないのは、自分の心だと思いながら…。
いわゆる…デートと名付けられるものだと思う。
「厚かましいんですけれど、紫織さんに京都を案内していただきたいんです。
仕事で来るばかりで、ほとんど観光してないんですよ。
食事もホテルのレストランばかりで味気なくてね…」
屈託なく言われ、なんとなくすんなりOKしてしまったのだ。
堂島にはどことなく憎めない人なつこい魅力があり、そのペースに紫織はついつい引き込まれてゆくのだ。
堂島は北山の曄子の家まで迎えに来ることもあるし、大学まで迎えに来ることもある。
お堅いキリスト教系の女子大の校門にSクラスのダイヤモンドホワイトのベンツはとても目立った。
しかも車から降り立つ堂島は、一目でわかるイタリアのハイブランドのスーツ姿だ。
磨き上げられた靴はフェラガモのUチップ、腕時計はロレックスのコスモグラフ デイトナ…三百万は下らないタイプだ…。
おまけに大学時代アメフト部にいたという彼は、日本人離れした大柄な逞しい身体つきをしている。
貌立ちも男らしく魅力的だ。
眼を引かない訳がない。
「…北川さん、すごいひととお付き合いしているのね…」
たまたま見かけた級友が羨ましげにため息を吐いた。
「どこで知り合ったの?」
「…別に…東京に居た時の知り合いよ」
さらりと答える。
「でも、お付き合いしているんでしょう?
毎週熱心に迎えに来るものね」
興味津々の友人に、紫織は曖昧な笑みを浮かべる。
「…さあ、どうかしら…。
まだよく分からないわ」
「…ふうん…」
不可解な表情の友人に
「じゃあ、またね…」
挨拶をして、堂島のもとに向かう。
…よく分からないのは、自分の心だと思いながら…。