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異邦人の庭 〜secret garden〜
第12章 ミスオブ沙棗の涙 〜遠く儚い恋の記憶〜
「まあ…!何か難しいお話かと思いましたら…!
そんなことでしたらご心配には及びませんわ」
篤子は陽気に笑って手を振った。
その様はあまりに鷹揚で紫織は一瞬呆気に取られた。
「親子の確執なんて、よくある話しですわ。
私も若い頃はお転婆で家出したこともありました。
厳しい父とは本当に色々ありましたもの。
…でも父が歳を取ったら徐々に分かり合えるようになりましたし…。
紫織さんもいずれはそうなるかもしれませんよ。
ですから、そんなことは私どもは気にもいたしません」
「…はあ…」
曄子が感に耐えたように首を振る。
「まあ…!
なんてご理解のあるお母様かしら…!
こんなに捌けたお母様はそうそういらっしゃらないですわ。
もし、紫織さんが二宮様のところにお嫁に行かれたら…私は安心してお預けできます」
「叔母様…!」
篤子は紫織の口を封じるかのように、じっと見つめる。
「紫織さん。
貴女がアロマテラピストを目指していらっしゃる旨、私もできる限り協力させていただきますわ。
…奥沢に政彦さんの新居用に購入してある土地があります。
そこに離れを建てて紫織さんの仕事場にいたしましょう。
ラボとしてご自由にお使いになるとよろしいわ。
私は進歩的なお嫁様が大好きなの。
これからの女は、結婚しても生き生きと自分の世界を持って活躍しなくてはね。
紫織さん。よくお考えになってね」
…外堀も内堀も埋められ、紫織はもう何も言えなくなってしまったのだ。
そんなことでしたらご心配には及びませんわ」
篤子は陽気に笑って手を振った。
その様はあまりに鷹揚で紫織は一瞬呆気に取られた。
「親子の確執なんて、よくある話しですわ。
私も若い頃はお転婆で家出したこともありました。
厳しい父とは本当に色々ありましたもの。
…でも父が歳を取ったら徐々に分かり合えるようになりましたし…。
紫織さんもいずれはそうなるかもしれませんよ。
ですから、そんなことは私どもは気にもいたしません」
「…はあ…」
曄子が感に耐えたように首を振る。
「まあ…!
なんてご理解のあるお母様かしら…!
こんなに捌けたお母様はそうそういらっしゃらないですわ。
もし、紫織さんが二宮様のところにお嫁に行かれたら…私は安心してお預けできます」
「叔母様…!」
篤子は紫織の口を封じるかのように、じっと見つめる。
「紫織さん。
貴女がアロマテラピストを目指していらっしゃる旨、私もできる限り協力させていただきますわ。
…奥沢に政彦さんの新居用に購入してある土地があります。
そこに離れを建てて紫織さんの仕事場にいたしましょう。
ラボとしてご自由にお使いになるとよろしいわ。
私は進歩的なお嫁様が大好きなの。
これからの女は、結婚しても生き生きと自分の世界を持って活躍しなくてはね。
紫織さん。よくお考えになってね」
…外堀も内堀も埋められ、紫織はもう何も言えなくなってしまったのだ。