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異邦人の庭 〜secret garden〜
第13章 ミスオブ沙棗の涙 〜初恋のゆくえ〜
「紫織さん、あんた蒔子ちゃんが許せなかったら許さんでええのよ。
…ただなあ、蒔子ちゃんかてあんたのことずっと憎んでたわけやないのよ。
蒔子ちゃん、紗耶ちゃんのこと、えろう可愛がってるやろ?
ある時、蒔子ちゃんこう言うてたんや。
『紫織が大切に育てたから、紗耶ちゃんはあんなに素直で優しくて可愛らしい子なのよね…。
紫織はとても良いお母さんなのよね…』…てなあ…。
それはそれは嬉しそうに笑って私に言うたんよ…」
「…え…?」
…聞き間違えかと思ったのだ。
曄子はじっと紫織を見つめて頷いた。
「ほんまやで。
蒔子ちゃんは本当はあんたを愛したかったんやと思う。
…ううん、愛し方が分からんかっただけで、ほんまは愛してたのかも知れへん。
先生とのことも、あんたが心配やったのかもしれへん。
ああ、愛はややこしいものやねえ…。
…愛と憎しみは裏表なんやろうねえ…」
…ただなあ、蒔子ちゃんかてあんたのことずっと憎んでたわけやないのよ。
蒔子ちゃん、紗耶ちゃんのこと、えろう可愛がってるやろ?
ある時、蒔子ちゃんこう言うてたんや。
『紫織が大切に育てたから、紗耶ちゃんはあんなに素直で優しくて可愛らしい子なのよね…。
紫織はとても良いお母さんなのよね…』…てなあ…。
それはそれは嬉しそうに笑って私に言うたんよ…」
「…え…?」
…聞き間違えかと思ったのだ。
曄子はじっと紫織を見つめて頷いた。
「ほんまやで。
蒔子ちゃんは本当はあんたを愛したかったんやと思う。
…ううん、愛し方が分からんかっただけで、ほんまは愛してたのかも知れへん。
先生とのことも、あんたが心配やったのかもしれへん。
ああ、愛はややこしいものやねえ…。
…愛と憎しみは裏表なんやろうねえ…」